昨年末、京都の「器館」さんに伺ったときのこと…
オブジェのような造形的な花器に目を奪われました。 鈴木卓さんの作品とのこと。 鈴木さんの器はあちこちで拝見していたのですが、コロンとまあるいフォルムでちょっと とぼけた感じの、なんとも和み系のその作風とは全然違います。 花器は荒々しさも感じる男性的で力強い印象、銀彩と窯変の組み合わせもダイナミックで、 存在感在り在りです。オーナーさん曰く「鈴木くんはいいわよ~」と高い評価。 確かにグッと魅入られるような強さで迫ってくる作品です。 この時点ではご本人にお会いしたことはなく、こんな「柔と剛」、「静と動」のような真逆な 感じの作品を作り出される方はどんな感じ…??と思っていたのですが… この突撃訪問、どこに行くかは青木さんにすべてお任せ(何せアポなし突撃ですから)、 「次は鈴木卓君のところです」と言われて「おっ、あの鈴木さん!」とちょっと緊張。 略歴 : 1977 埼玉県生まれ 2000 早稲田大学建築科卒 2004 多治見市陶磁器意匠研究所 修了 第5回益子陶芸展 入選 2005 第1回菊池ビエンナーレ 優秀賞 第3回現代茶陶展 織部の心作陶大賞 朝日現代クラフト展 優秀賞 第3回京畿道世界陶磁ビエンナーレ国際公募展 入選 第7回国際陶磁器フェスティバル美濃 入選 朝日陶芸展 入選 長三賞陶芸展 入選 写真で見る鈴木さんは、ちょっと学者さんっぽい雰囲気のある「ガリレオ」ちっくな方だった ので…面識もないのに急に押しかけたりして大丈夫かなぁと心配でもあったりして… 正直やや引き気味で突撃です(笑) この頃にはもう日も落ちてあたりは真っ暗。雨も降っている中、鈴木さんの工房まで来ると、 ご本人が傘をさして外まで迎えに出ていてくださいました。 青木さんが「タッくん」と話しかけているのを聞いてちょっとホッとしたりして… 工房は倉庫のような感じで、広~い!壁には↑の花器の一部?と思われるものが かかっていたりします。 あちこちの棚に新旧の作品がたくさん並んでいます。 予想通り、寡黙な感じの鈴木さんですが、だんだんテンション上がってきた私たちの質問に 丁寧に答えてくださいます。 陶林春窯さんで見た蓋つきの小振りの碗も発見。 蓋と身の合わせ方が実にキュートでいい感じ。 「これいいですよね」と話しかけたら、ちょっとハニカミながら棚から取って見せてくださいます。 「埃かぶってますよ」と言いながら、さりげなく埃をぬぐってくださって…ちょっと胸キュン(笑) こちらは同行太田さんの手元へ・・・ 私は欲しかった小振りの旅茶碗を連れ帰ることにしました。 いくつか並んでいた中から選ぶと、「僕もそれがいちばんいいと思います」と… 目を奪われた花器と同じテイストのこの旅茶碗、かっこいいです。 引き気味で突撃したにもかかわらず、お茶までごちそうになって、最後にはストーブを 囲んでほのぼのいい雰囲気に… そんな素敵なタッくんの作品展が東京六本木「サボア・ヴィーブル」さんで 3日から開催されます。 鈴木さんにお暇して、ピッチを上げて次の大江さんの工房に向かいます。 最後は忘れずやっぱり記念撮影と握手。 それにしても、青木さんといい服部さんといい、鈴木さんといい…みんな繊細で華奢、 綺麗な手です。 アーチストの手…って感じです。
by seido301
| 2009-02-02 10:18
| 作家さんのこと
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